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赤ちゃんとお母さんの産婦人科選び~種類・注意事項・ポイント~

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もしかしたら妊娠かな?と妊娠検査薬を使い陽性反応が出たとしたら、まずは産婦人科・婦人科で正式に検査を受けることになります。

かかりつけの産婦人科があればそこで検査するようになるかもしれませんが、もし初めての産婦人科であれば、その検査をどこで受けようか…というのが最初のハードルですね。
産院にも種類がいろいろありますし、どこへ決めようかと選び方も迷ってしまいますよね。
そして妊娠が確定したら、赤ちゃんを授かった嬉しい気持ちでいっぱいで性別や名前付けにワクワクしつつも、何を準備したらいいのか・家族や職場への連絡をどうするか・手続きはどんなものがあるか…等々、考えなくてはいけないことが山のようにあると急に焦ってしまうものです。

そこで今回は、妊娠が分かってから必ず決める事のひとつである「産婦人科の選び方」についてまとめてみました。

産科・婦人科・産婦人科の違い

人生の一大イベントである出産なのですから、自分の都合や希望にあっているかをよく検討して選んで、納得いく産院で大事なお産を迎えられるようにしたいですね。

ではまず、

  • 産科
  • 婦人科
  • 産婦人科

という科がありますが違いはなんでしょうか。

産科

妊娠から出産までを扱う科

婦人科

  • 卵巣
  • 卵管
  • 子宮

などに由来する

  • 病気
  • 生理不順
  • 更年期
  • 更年期障害

など女性特有の健康に関わる医療を扱う科

婦人科でも妊娠検査や心音確認などは行っていますが、基本的に妊娠に関する診察や検診は行っていないことが多いため、婦人科での診察で妊娠がわかった場合でも、以降は産科や産婦人科のある病院に通うことになる場合が多いです。

産婦人科

産科と婦人科を合わせた範囲を扱う科

注意!

「産婦人科」と名乗っていても妊娠・出産を取り扱っていない例もありますので注意が必要です。
理由として、昔は女性向けの診療をまとめて「産婦人科」としていたので実際にお産を扱っていないけれど昔の名残として「産」の字が残っているケース。
また、設備の不十分・妊娠、出産をサポートできる医師の不足など、お産の取り扱いが難しくなった現在も「産婦人科」の名前だけが残って産科の機能を失っているケースがあります。
近年ではその割合がすっかり高くなり、「産婦人科」を標榜しながら産科の取り扱いがないという施設は少なくありません。

以上のことから、妊娠の検査はどの科でもほぼ取り扱っているために確認だけまず行うならば都合に合う場所で検査しても問題ありません。
しかし実際に妊娠が判明しお産までを考える場合は、妊婦健診のため紹介状をもらって転院して…という手間を考えると最初から希望の医療機関を選ぶことも大切です。

産院の施設種類と特長、注意事項

次に、産院を選ぶにあたり産むための施設にはどんな種類があるかと、それぞれの特長や注意事項をみていきましょう。

総合病院・大学病院

産婦人科以外にもほとんどの診療科が揃っているベッド数100床以上の病院です。
医師が多く設備が整っていること、産科以外の診療科目も充実しており、高水準の医療が受けられることから、合併症がある場合や多胎妊娠など、リスクの高い出産でも受け入れ体制があるという特長があります。
また、分娩時に緊急事態が起こった場合にもすみやかに適切な処置を受けることができるため安心です。
注意事項としては、診察が混み合うために健診の待ち時間が長くなりがちで診察時間は短時間で済まされてしまいがちな点、医師が多いために診察ごとに医師が変わってしまい同じ先生に診てもらう事が難しい点、大学病院の場合は研修機関としての役割もあるために診察や分娩に学生や研修医が見学で立ち会うことがある点などがあります。
※最近では総合病院でも産科を閉鎖したり、分娩数の制限を設けている病院もあるため、産科があるか、分娩までできるかを事前に確認しましょう。

産科・産婦人科専門の病院や医院

ベッド20床以上が病院、20床未満は医院という医療機関のことです。
医師やスタッフの数が少ない分、同じ医師に初診から産後まで診てもらえる場合が多く、顔見知りのスタッフが増えるために細かな心配事を相談しやすいという特長があります。
また、お産に関連した様々なサービスが充実(完全個室がある・母子同室・こだわりの食事・マタニティクラスやマタニティヨガなどの指導がある・お産に関わるグッズ提供など)しているところが多いことも人気の理由です。
注意事項としては、基本的に産科・産婦人科の単科の場所が多いために、合併症や分娩時の万一などリスクをともなう妊娠・出産の場合は産科以外の医療処置が必要となるため、提携している総合病院へ転院することになる可能性があるという点、総合病院にはないサービスがある分、出産費用が標準額より高い病院・医院が多くある点などです。

助産院・助産所

助産師が開業している9床以下の施設のことで助産婦が保健指導や出産の介助をしてくれます。
昨今の自然分娩ブームなどによって昔のような助産院での出産が見直されており、自宅出産に対応してもらえたり自分らしいお産にこだわる方に合う施設といえます。
家庭的な雰囲気のなか、精神的なアドバイスや介助があることや、陣痛から付き添ってもらい出産まで臨めるといった特長があります。
注意事項としては、助産婦の医療行為は禁止されているために自然分娩が前提であり、逆子・帝王切開・双子などの多胎妊娠の人は診てもらえず、出産中に万一問題が発生した緊急時には、提携している施設に搬送される点です。
そのために万一の場合に備え、嘱託の産婦人科や提携の総合病院がどこにあるか等を明確にしておくことが大切です。

※周産期母子医療センター
国によって支援を受けている産科と新生児科が合わさった施設で、MFICU(母体胎児集中治療管理室)やNICU(新生児集中治療管理室)の設備があるのが特徴です。
母子の生命に関わる自体が発生したときにのみ対応する医療施設であるために、ハイリスク出産と判断された場合にしか、受け入れてもらえません。

産院選びのポイント

次に、産院を選ぶ時のポイントについてですが、初めての出産では何がポイントとなるか分からないため、項目ごとに自分の希望がどれに当てはまるかを考えて優先順位をつけて探すと分かりやすくなると思います。

産院の場所

妊婦健診だけでも10~14回ほど通うことになる産院は、お腹が大きくなってからや、産後の1ヵ月健診時に新生児を連れて行くところでもあります。
なるべく交通の便が良く、いざという時のことを考えて、どんなに遠くても1時間以内で通えるところを選びましょう。
また、里帰り出産をする場合はできるだけ早めに実家近くの産院の情報を集め、里帰り出産の受け入れが可能かどうかを確認しましょう。
予約には早期に受診が必要なケースも多く、妊婦健診で通院している産院からの紹介状が必要になるので、早めに相談することも大切です。

分娩方法

一般的な分娩台で仰向けになって産むスタイルの他に、自分の好きな体勢で産む「フリースタイル出産」や、ぬるめのお湯につかって産む「水中出産」、妊娠中からイメージトレーニングをおこなう「ソフロロジー分娩」など、今は出産スタイルも様々です。
取り扱っている産院は限りがありますし、週数を重ねると予約が難しい場合もあるので強い希望があれば早めに確認を。
また「無痛分娩」「和痛分娩」は、産院によっては扱っていない場合もあり追加料金もかかるので、希望があれば確認しましょう。
自然分娩に対する考えも産院によって異なるため、陣痛促進剤を使用するタイミング(予定日を過ぎたらすぐ使用する・陣痛がどんなに長くても使用しないなど)が様々ですので、心配な場合は調べておくと安心できます。

分娩・入院費用

住んでいる市区町村により助成金の額は様々ですが、病院によっても健診費用は異なります。
母子手帳と一緒に渡される補助券のチケットの金額内で収まるところもあれば、毎回実費で支払う分があり、多い時は一回の健診で1万円オーバーするところもあります。
分娩費用についても、出産育児一時金の42万円以内に収まる産院もあれば、プラス30万円は当たり前なんてこともあります。
また、陣痛促進剤や無痛分娩や帝王切開に切り替えとなった際に追加でかかる料金もあることが多く一部預かり金を支払う産院もあるので確認が必要です。
さらに出産一時金に「直接支払制度」「産後申請方式」があり、産院によって取り扱いがどちらか一方のみという場合があります。
出産育児一時金が医療機関に直接支払われ、出産でかかった費用との差額だけを支払うのが「直接支払制度」ですので、退院時にお産にかかる全額を用意するのが難しい場合は、この「直接支払制度」を扱っているか確認しましょう。

個室・大部屋・母子同室・別室

入院が個室・大部屋かも産院によって異なります。
基本が大部屋の場合、個室を希望すると追加料金があったり、シャワーやトイレの有無によって金額が異なること部屋がある産院もあります。
また、出産後すぐ母児同室になるところや、母体の回復を優先させて、授乳の時間以外の夜間は預かってもらえるところもあります。
自分の好きな方を選べる産院もあるので、希望に沿った環境があるか確認しておくと安心です。

設備・雰囲気・食事・スタッフの対応

歴史ある産院では長年のキャリアや地域に根付いた安心感がある一方で、設備や部屋も年季が入っていることも多くあります。
最新の設備が整っている・部屋はホテルのような雰囲気がいいなどこだわりがある場合は見学ができるか確認してみるとよいでしょう。
意外と大切なのが入院中の食事で、産前・産後の寝不足で食欲がないときでも、体力を養って母乳を出すためにごはんを食べなければいけない為、食事のストレスはなるべく少なくしたいですね。
産後の御祝い膳としてフレンチのフルコースが出る産院もありますが出産費用が高くなることが多いので確認を。
見学ができる場合、

  • 受付スタッフや医師の雰囲気
  • 院内の食事施設
  • 産院の立地条件
  • 周辺施設

なども見ることができると安心です。

バースプラン

どんなお産を望むかというお産に関する希望をまとめた計画書「バースプラン」を作成してくれる産院があります。
夫や家族の立ち会い出産は可能か・出産時のビデオ撮影は可能かといった事に加え、分娩の際に流す音楽やお部屋の香りまで希望を聞いてくれる産院もあり、様々なリクエストに応えてくれる産院を希望される方には嬉しいサービスです。

母乳主義・人工栄養などの方針

これも産院によって方針が異なりますので、確認しておくとよいでしょう。
あくまでもママの体調や体質によって母乳かミルクか変わるものですが、基本方針として母乳育児を推奨する産院であればミルクを足す前に様々な働きかけがある場合が多く、母乳が出にくいママにとって応援にもなればストレスにもなりかねません。
出産してみないと分からない問題ではありますが、母乳育児についての方針は確認しておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
これから出会う赤ちゃんとの最初の大切な思い出の場所となる産院、色々な情報をふまえて余裕をもって選びたいものです。
そして、信頼できる先生・スタッフに出会えたらきっと安心してお産に臨めるはずですから、もし違和感を感じたら、初期のうちにほかの産院へ行ってみることも可能です。

  • 雑誌
  • インターネット
  • 友人知人の評判

などを参考にして、自分に合った産院をみつけてくださいね。